お昼の情報番組『ひるおび』の中のコーナー、“荻原博子の解決!家計仕分け人が行く!”で高額になってしまった医療費の一部がもどってくる方法が紹介されていました。
その方法というのが『高額療養費制度』と言います。
放送では帝王切開を例にあげていましたが、それ以外でも医療費が高額になった時は、この制度が適用されることがあります。
そしてこれは、申請しないと適用されないのです。
依頼者さんは
「高かったな、、、仕方ないよね。。。」
で終わらせていたため、もちろん支払ったお金はそのまま戻ってきませんでした。
なので、こういう制度があるんだよということを知っておかないと損!ですね^^;
申請できる条件は?
高額療養制度を申請できる条件は、
健康保険に加入している人で、月の医療費が一定額以上かかってしまった場合。
ある一定額とは。。。
月収53万円未満/70歳未満の家庭の場合は8万100円。
つまり、月の医療費が8万100円を超えてしまった場合に申請できるのです。
これは帝王切開に限らず、健康保険が適用されるなら、同じ条件で申請することができます!
(※もちろん帝王切開は健康保険が適用されます)
どれだけ戻ってくるの?
手続きややこしそうだし、どこに申請すれば良いのか分からないし・・・
なんて思っていたら損するかも?!ですよ^^
戻ってくる医療費は、人それぞれ使った医療費によって異なります。
高額療養費制度で計算するのは、出産費用にかかった全額ではなく、保険適用の3割負担分です。
保険適用されていない部分の出費分はあてはまらないので、計算する前に、どこまでが保険適用されているのか調べてみて下さい。
帝王切開に12万円(保険診療分のの3割の負担分として)かかってしまった場合は、3万8570円も戻ってくるのです!!
15万円なら6万7570円です!
(後で説明しますが、「区分」が「一般」の場合で)
結構大きいので、申請しないでいると本当にもったいないですよね。。。
高額療養制度で戻ってくる金額の計算方法
計算は1ヶ月にかかった医療費ごとに出します。
※入院期間が月をまたいだ場合などは計算が変わってくるので注意!
先ほどの15万円の例で計算してみます。
《高額療養費・自己負担額の計算方法》
8万0100円+(総医療費-26万7000円)X1%
※26万7000円の額は“所得区分”において“一般”の区分に当てはまる人の場合の額です。
所得区分は
1.上位所得者(標準報酬月額53万円以上)
2.一般(1や2に当てはまらない人)
3.低所得者(住民税非課税者)
の3つに分けられていて、その所得によって定められている額が一般に当てはまる場合は26万7000円なのです。
詳しくはこちら参照→全国健康保険協会・高額療養費について
※総医療費とは、健康保険が適用される前の費用額のことです。
つまり支払った15万円は健康保険適用後の価格です。
健康保険が適用されると3割負担なので、これから計算すると、総医療費は50万円になります。
《15万円の時の計算》
8万0100円+(50万-26万7000円)X1%=8万2430円(←これが自己負担する額)
なので、払い戻される金額は
15万円(健康保険適用後の医療費)-8万2430円(自己負担額)=6万7570円
というわけで、申請さえすれば、6万7570円が払い戻されることになるのです!!!
出産育児一時金は差し引かれる?
依頼者さんは出産時に“出産育児一時金”をもらったそうですが、今回の高額療養制度の払い戻し金額からこれは差し引かれるのでしょうか?
答えはNO!
出産育児一時金とは全く別の制度なので、差し引かれることはないのだそうです。
さらに任意で加入している医療保険金も差し引かれることはないのだそうですよ^^
どこに申請すれば良いの?
これだけ良いお話、申請しないワケにはいきませんよね。
申請方法に2通りあります。
- 事前に認定を受ける方法
- 事後に申請する方法
事前に認定を受けていれば病院と加入している健康保険とが直接やりとりをしてくれるので、支払う額は負担する額のみ(9万5430円)になるので便利です。
それぞれの申請方法は下に書きます。
まずは申請に必要なものをチェックしておきましょう!
【申請に必要なもの】
- 高額療養費支給申請書、医療機関の領収書(事後申請の場合)
- 限度額適用認定申請書(事前認定の場合)
- 振込先の口座番号
- 健康保険証
- 印鑑
【事前に認定を受ける場合】
申請先の窓口で申請書をもらって記入。
↓ ↓ ↓ ↓
申請書を提出
↓ ↓ ↓ ↓
「限度額適用認定証」を受け取る。
↓ ↓ ↓ ↓
医療機関で支払いをする際に「限度額適用認定証」を提示する。
※「限度額適用認定証」の有効期間は最長1年。
認定証は保険料を滞納しているともらえないこともあるため注意しましょう。
【事後に申請する場合】
かかった医療費総額の3割を医療機関で支払う。
↓ ↓ ↓ ↓
申請先に医療機関の領収書を添付した申請書を提出する。
↓ ↓ ↓ ↓
高額療養費が支給される。
【申請する場所】
・勤め先の健康保険に加入している人・・・勤務先の担当窓口か社会保険組合、共済組合など
・国民健康保険に加入している人・・・市区町村役所の窓口
※出産でかかる高額療養制度の詳しい内容はこちらに書かれてました。
→帝王切開ナビ・高額療養費
計算はややこしいかも知れませんが、計算を覚える必要はありません^^;
ここで一番言いたいのは、月々の医療費が高額になったなら、高額療養費が適用できないか相談してみよう!ということ。
病院などの領収書の添付を求められることもあるようなので、領収書は捨てずに持っておきましょう。
申請できる期間は2年までです!!
※家計仕分け人の荻原博子先生の著書はこちら
2013.9.1 追記:例で挙げた金額について、金額について勘違いされるとのご指摘を受けましたので、例の内容を変更させて頂きました。
勘違いされた皆様、申し訳ありませんでした。